2007年01月04日

マネジメントシステムの時代こそ『韓非子』を読め!(1)

緒言

始めて『韓非子』の思想に触れたのは確か25歳の頃だったと思う。入門書「『韓非子』の知恵」狩野直禎著(講談社現代新書)がきっかけ。



以後『韓非子』の思想に惹きつけられるようになったが、たまたま会社で個人情報保護マネジメントシステムの構築・運用を手がけるようになって、「これって『韓非子』の思想の実践じゃない?」と感じる場面が多くなった。爾後、マネジメントシステムこそ自分の天職?とまで思いつめるように(笑)。
そのため、以前から『韓非子』を現代のマネジメントシステムに引き寄せて読み直し、折りに触れて文章にしていきたいと思っていたのだが、このたび当blogの定期連載企画を考えるにあたって、これを実現しようと決意する。今後の「目玉企画」として育てるにしてはいささか地味というかお堅い・または抽象的?な気もしないでもない(^烹^;が、自身の経営哲学を掘り下げて纏めていくという試みにもなるかと思い…。
今後「毎週末ポスト」(次回1月14日前後)を目標に当blogで連載予定。

第1回「世に三亡有り」

世に三亡有りて天下これを得たりとは、其れ此れをこれ謂うか。
臣これを聞く、曰く、

乱を以て治を攻むる者は亡び、
邪を以て正を攻むる者は亡び、
逆を以て順を攻むる者は亡ぶと。


「初見秦・第一」より(この巻ほか、現在の『韓非子』には韓非その人の手にはならないというのが定説になっている巻が混じっているが、この場ではこだわらない)。

大まかに言えば、
「国を滅ぼすには3つの道がある。乱れた国が整った国を攻めても亡びる。邪な国が正しい国を攻めても亡びる。自然の秩序に逆らった国が秩序に従った国を攻めても亡びる」。

これを、自己流ながら、こんにちの企業に当てはめて、企業の生き残りのために必要な施策として考えてみる。

「乱を以て治を攻むる者は亡ぶ」
=「統制の乱れた企業は統制の整っている企業に勝てない」。

昨今では「内部統制」と言うとまずJ-SOX法が思い出されるが、ここではもっと広い意味で扱う。起業プランを考えるにあたってのキャッチフレーズとして「内部統制の整備なき企業に成長なし!」を掲げ、当blogのリード文にも追加したが、このために必要なのは「マネジメントシステムを構築し、適切な運用を行なうこと」だ。今後実際の文章に即して紹介していきたいが、「ルールを作ること」「実効性があることなのか検証すべきこと」「守られていない場合には罰則を設けること」など、『韓非子』のエッセンスははなはだマネジメントシステムのPDCAサイクルの発想に近いと思う(「教育」という要素が『韓非子』では薄く「賞を与える」という要素がマネジメントシステムでやや薄?など、『韓非子』のほうがやや実利的か)。昨今「マネジメントシステム」と言うと、「品質」はともかく(でもISO9001もなんか評判悪いね(^烹^;)「環境」「個人情報やその他の情報」など、所謂「本業」でない部分がもてはやされていて一部の企業で軽んじられているという部分もあるようだが、認証目当てのマネジメントシステム構築ではなく、「本業」のフローの必要性から派生し統合された本来の意味のマネジメントシステムであれば、「本業」の効率化・標準化にも資する(例えば「5S」など)、そう考えるべきだ。「内部統制の整った企業ならば、情報漏洩も起こらないし、環境にもやさしい」。逆の発想をするべきである。「資格倒れ」にならないためにも。

「邪を以て正を攻むる者は亡ぶ」
=「社会倫理に反した企業は倫理性の高い企業には勝てない」

前項と内容が近くなるが、現代の企業に必須なのがコンプライアンスである。かつてと違って、「本業」だけうまくいっていればあとはどうでもいい(とまでは言い切らないにしても)というような態度が許された時代はとうに過ぎている。CSRだの、「環境保護」「個人情報保護」だの、上場企業であれば前記J-SOX法のように財務的な真正性も求められる。インターネット上での一個人の発言が思わぬ波及を巻き起こす事態にもなりうる昨今、倫理的な不感症が大きな傷となって露呈する結果に到るというリスクは常に意識するべきである(某有名企業の「やらせ」blogが炎上した件など象徴的だ)。やはり前項と被るやや理想論ではあるが、目先の「本業」に捉われない、大局的なバランス感覚が結果として長期的な企業の存続に繋がる。特に上に立つ者ほどそういう意識が必要であろう。

「逆を以て順を攻むる者は亡ぶ」
=「世の趨勢に逆らう企業は機に敏した企業に勝てない」

前項コンプライアンスも含まれる事項ではあるが、この場では経営方針なり戦略なりの全般にわたってもっと広義に捉えるべきだろう。この場で求められるのはマーケティングではあるまいか(チョット強引(^烹^;?)。市場、マクロ的には世の中全体を分析するとともに自社の強みと引き比べ、適切なセグメントに適切な製品を供給するという効率性がこれほど求められている時代はないだろう。特に印刷業界の場合、ターゲットが「直接の顧客である法人」なのか、「エンドユーザーたる消費者」なのかでぶれているように思う。ライブドアのニュースサイトに野村総研の研究員の方が「Web2.0時代は、著作権の代わりに広告料で稼ぐという革命が起きる」と語ったインタビュー記事が出ていたが、これは「受注するうえで考慮すべきターゲット」としてどこを想定すべきかという問題もはらんでいると言えよう。ただ漠然とした「見聞を広める」という意味合いでなく、より突っ込んだ考究をするうえでマーケティングの知識・教育は必須であり、「提案型営業」として求められる要素だろう。

何か生硬な文章になってしまった(^烹^;が、とりあえず今後の方向づけとして近年実感する部分は書けたかなぁ? 今後どうぞよろしく。


tosen4tany at 17:20コメント(0)トラックバック(0) 
「韓非子」を読め! 

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