2007年01月01日 20:51

2006年の印刷業界を振り返る

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。

大晦日の日本印刷技術協会サイトのコラム「2006年の印刷業界を振り返る」を読む。

書籍の販売金額が前年比1.4%増で、2002年以来の長期低落に歯止めがかかったという。逆に雑誌は4.7%減。雑誌のような媒体はインターネットと競合するため今後も減少するだろうとのこと。ポジショニングの点から考えるとインターネットとの差別化を強調した書籍が一定のファンを獲得するようにも思える(本好きの希望的観測ながら(^烹^;)。その傾向を裏づけるかのように、光文社の古典新訳文庫、文藝春秋の「はじめての文学」全12巻、(あいにく出版社は失念してしまったが→後記:河出書房新社らしい)池澤夏樹の個人編集になるという20世紀後半作品主体の「世界文学全集」と言ったような、大型の文芸ものの企画の話題が相次いでいる。成否はともかく、期待を持たせる動向である。当サイトでもタイトルに含まれている「業態変革」は提唱元である全印工連によれば「オーソドックスな経営手法に立ちかえる」ことだそうだが、こういった本来の「書籍らしい」書籍をより美しくより効率的に作る努力がキーポイントになるという考えもあるのかもしれない。

…もっとも、「出版社の風向き任せ」ではなく、みずからエンドユーザーの矢面に立つような試みも必要ではないのか?というのがつねづねの自分の考えだったりするが(^烹^;。「出版社なり何なりの法人顧客からの受注産業である」という印刷業界のあり方が、顧客に在庫のリスクを移転する替わりに自発性を育ててこなかったのでは?と思ったりもするものだ。「印刷産業が印刷産業の中にだけ目を向けていれば良い時代はとっくに終わっている」という言葉も出てくるが、クロスメディアの動向に代表されるように、他業界で起こっていることも採りいれて、エンドユーザーの感覚にもっと敏感になるよう求められていくことだろう。

また、「2006年は、行政による安値発注の問題に対する業界団体の努力が実って行政側の具体的対応を引き出(し)つつある」という言葉もある。年末に日経新聞に日印産連による「これ以上の値引きはカンベン」というような意見広告が出て「ホントにこんな広告、効果あるんかい?」といぶかしかったものだが、この「行政側へのアピール」といった要素が強かったのだろう。具体的にはどういう動きなのか言及されていないが、気になるところである。

ところで、新年を期に、当サイトもマイナーバージョンアップを。Amazonからの書籍情報を充実させるようにした。右サイドに「内部統制」というキーワードで検索された書籍が表示されるようにしたほか、リンク集として「準備室書庫」と題したインスタントストアを設置し、自分の読んだ本を紹介するようにしている。こういった試みに「アフェリエイトによるこづかい稼ぎ」という意図がないと言えばウソになるが、むしろ「このサイトに来れば、そのたびに何らかの情報が手に入る」というイメージ作りを志す部分のほうが大きい。これまでこのサイトは不定期更新であったが、「固定客」確保のために定期的に掲載するコラムを新設することも近日実施予定である。

2007年は創業に向けての地盤作りに注力するつもりである。





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